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そんな常連客の姿を羨ましそうな顔で見ていたのは二人組の大学生の一人。
彼は《凌一》。もう一人は《小野》とお互いを呼び合っていた。
《凌一》は細いジーンズにつま先の尖った靴、シャツの上にジャケットを羽織っており今時の若者といった感じだ。
しかし、ホストのように派手というわけではなく落ち着いていて上品な印象を受ける。《凌一》の持つ雰囲気が彼をそう見せるのだろうか。
《小野》は古着のような薄手のシャツに裾の広がった白いズボンを履いている。
それは汚れているのか灰色のグラデーションがかかっていた。
髪はくるくるの癖毛で天然パーマと言っているが、まるで六十年代のグループサウンズにでもいそうな雰囲気だ。
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