《銀河鉄道の夜》

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この二人は以前にも何度か来ている。 遅い時間から朝方まで飲み続ける客は嫌でも覚えてしまう。 話を聞く限りでは二人共大学生で歳は二十一だという。 《凌一》は街の居酒屋でアルバイトをしていて大学にはほとんど行ってないと言う。 パチンコ、スロット等のギャンブルをやるようで支払いは大体彼が済ませていた。 こういった若者が最近は多いようだ。 何の為に高い授業料を払って大学に行っているのか。親のことを思うといたたまれなくなった。 《小野》はそんな《凌一》を叱りつけながら、酒を飲んでいる。 どうやらしっかりしているのは《小野》のようだ。 恋人でも男同士にでも言えることだが二人組というのはいつも不思議なバランスが取れて成り立っている。 この二人を見ているとつくづくそう思う。
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