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第一章 始まりの出会い
ここは魔法使いの町、ラナンキュラス。たくさんの魔法使い達が住む、のどかな国。いや、のどかに見える国。
そのラナンキュラスの裏では、とんでもないことが起こっていた。
そのとんでもないことのトップは、間違いなく子供を売り飛ばしていることだろう。お金に困った親たちが、子供をお金持ちに売ってしまうのである。
人間の売買は禁止されており、見つけ次第即逮捕だが、そんな簡単に捕まることはまず有り得ない。
だからその存在は、魔法事件特殊解決執行部、通称魔法部と呼ばれている者達も、頭を悩ませていた。
ある時、そんな澱んだ町に一人の怪盗が現れた。名はアリウム。濃紺のシルクハットとマント、必ず予告状をだし、まるで遊んでいるかのように宝を盗む。そんな怪盗アリウムは、今町で一番の有名人だった。
その怪盗アリウムこそが、この物語の主人公である。
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