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暗くうつむきながら修二はただただ着くのを待っていた
「……
…………
……って俺……行き先教えてもらってなくね!?」
修二はこの電車に乗って終点まで来いとは知らされていたもののそれ以上は聞いていなかった。
「早速トラブル発生かよ」
-間もなく終点~終点~お出口は左側です
「終点だ……」
時刻はすでに11時をまわっていたせいか電車には帰るサラリーマンであふれていた
修二はギターを持って人の波にのまれながらも出口へと向かった。
「はぁ……これが帰宅するサラリーマンの力か」
電車から降りると後ろから誰かが修二の肩を叩いた
「君、カバンを忘れている」
振り返ると170くらいのスーツ姿で、いかにもキャリアを積んだであろう風貌の比較的若い印象の男が修二のカバンを持って立っていた
「あぁ、すいません」
「気をつけなさい」
素っ気なくカバンを渡すと足早に修二から去っていった
「……? どこかで見たことあるような?」
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