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「少し休もう……、さすがにキツイや」
大きな岩かげにかくれて、きみは息をはきながらすわりこむ。
ぼくは、見はりばん。
「疲れたら言ってね、トム。交代するからさ」
きみが言う。
でも、ぜったいにきみの方がつかれてる。
だからぼくは、交たいしないでずっと見はることにした。
すると。
ぼくらがすすんできた道から、かすかにトラックのクラクションがきこえた。
それにまじって、ききおぼえのあるラジオソング。
チョッパー兄ぃが、よくきいていた曲だ。
「……トラック?」
「!!……あ、兄ぃだ、兄ぃたちだ……!!」
ぼくのこえをきいたきみは、岩かげからとび出して、まだ見えないトラックをじっとにらむ。
「トラックじゃ、足では巻けないな……。トム、あたしが囮になる。あなたはその隙に走って、先に進んで」
「やだッ!!」
ぼくは大ごえで言う。
なんどもなんども、首をよこにふる。
「やだッ!!なんで、そんなのやだッ!!やだやだやだ……ッ!!」
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