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ルミカ「白銀のヒュドラのウロコの防具に、ミノタウロスの血で固めた火剣ね!あんた、なかなかいいもん持ってんじゃない!」
ルミカは、エメラルドグリーンの瞳を爛々とさせ、ソルを様々な角度から見回した。
ソル「いいだろ~?」
ソルは自慢気にルミカを見た。
すると、ルミカは我に返り、ふんっ、とそっぽを向いた。
ルミカ「そんなもん誰でも手に入れれるわよ」
どうやらルミカは、他人の自慢話は嫌いなようだ。
ソル(ちょっと自慢し過ぎたか…)
ソル「よしっ、なら出発するか!」
ソルは、雰囲気を変えるため勇敢に声を上げ、勇敢に歩き出した。
ルミカ「何言ってんの?あんたバッカじゃないの?」
勇敢に歩き出したソルの足がピタッと止まり、ルミカの方に振り返った。
ルミカ「言ってなかったっけ?まだあと2人、仲間が来るのよ」
ルミカは、キョトンとして言った。
ソル「そうなのか?」
仲間が増える程心強い事は無いので、ソルは胸を踊らせた。
ルミカ「ほらっ、噂をすれば」
腕を組んでいるルミカの視線の先には、一人の悪魔が遠くに居り、こちらへ向かって歩いてくる。
そして、その悪魔はソル達の前に立ち止まった。
髪は紫色、あまり目立った所のない普通の髪型。
顔は色白でとても整った顔。
おそらくソルと同じぐらいの歳で、青く澄んだ瞳をしている。
白い軍服に、白いマントを身に付けている。
しかし、顔の表情が変わらず、いつでも無表情であった。
ルミカ「おっそ~い!何してたのよ!!」
ルミカは腰に手を当て、いつもの子供のような甲高い声で、怒鳴った。
「スミマセン。ジュウデン、シテマシタ 」
電子音と青年の声が混ざり合った声で悪魔は言った。
ソル「!?」
明らかに悪魔の声でない声に、ソルは少し驚いた。
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