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バトルパート突入から約五秒後、俺は廊下に仰向けで倒れていた。ボロボロになって。
新しい制服まで見るも無惨に引き裂かれ、身体のあちこちが言うことを聞かず、意識も朦朧としていた。また保健室のお世話になりそうだな、とか今考えるべきはそこじゃねえだろとは思いつつもなかなか思考が働かなかった。
ただ俺は見上げていた。
俺をこんな風にした張本人を。
猫屋敷西窓を、見上げていた。
彼は満面の笑みを浮かべていた。
「ふふ・・・ダメじゃないか」
「・・・」
「先生に殴りかかったりしたら、ダメじゃないか」
そう。俺は猫屋敷先生が名乗りを上げた直後には先生に殴りかかっていた。先手必勝というわけだ。かくしてその拳は先生の顔面に見事炸裂した。
だがしかし、その数秒後カウンターのパンチを先生が繰り出してきた。対したダメージではないと思った。でもその先生の一撃は俺を一瞬でボロボロにするには事足りるほど、凶悪なものだった。
もちろん先生も俺からの攻撃を受けているはずなのだが・・・。
「それにしても痛いなあ、顔の形が変わってマイケルジャクソンになるかと思うほどのパンチだったよ。」
「・・・」
彼は顔色一つ変えず、ただ笑ってそこに立っていた。
てゆーかどんな例えだよ。ジャクソンファンなのか??
「それにしても、いいパンチをしているね・・・さすが資格を持つだけはあるかな。」
だから簿記三級しか持ってません。なんて言う元気も残っていなかった。
「んー・・・とりあえず、どうすればいいかな??再起不能にはしてみたもののその後どうするか考えてなかったぞ。だいたい力を見るだけなのにこんなにボロボロにしてしまった。やれやれ、まったく私はなんて愛情深い教師なんだろうか。」
・・・独り言長いですね。しかも意外とナルシスト。
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