第一話、車木零時

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しかし次の瞬間、俺は空を飛んでいた。 うわー人は恋をすると空も飛べるんだなーってんなわけないわけで。じゃあなんで俺が空を飛んでいるかというと、実は空なんか飛んでなかった。 実際、俺の体は地上を離れ空中に放り出されていたのだ。意味がわかるか?? つまり真相はこうだ。 俺は告白しようと彼女の肩を掴もうとした。しかし俺が触れる瞬間に、逆に彼女に腕を掴まれ、空に投げ飛ばされたのだ。 わかったかな?? さて、ここで一つ問題だ。 この際なんで彼女の二倍はある体格の俺を華奢な彼女が投げ飛ばせたのかは置いておくとして話を進めよう。 地球には重力というものが存在する。重力とは地球に引っ張られる力みたいなもんだ簡単に言えば。ビルの上から落としたボールが地上に落ちていくのもこの重力の仕業だ。 つまりだ、地球に重力があるかぎり浮いたものは地上に引っ張られる。ということは、今まさに絶賛空中遊泳中の俺はどうなってしまうでしょうか?? 正解は・・・ 「ぐほっ!!!!!!!!!!!」 ・・・言わなくてもわかるよな。 見事に地上に再度舞い落ちた俺車木零時は、後頭部の鈍い痛みを感じながら意識を手放したのだった。
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