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えー・・・おっほん。
どうも車木零時です。少女に投げ飛ばされ意識を手放し、入学式早々新しい高校の保健室にお世話になりました。先生いわく、怪我は大したことないというので俺は保健室を出て新入生の集まる教室に移動することにした。
目指す教室は二号館の第三教室だ。ちなみにこの学校、私立時計乃針高校(しりつとけいのはりこうこう)の校舎は本館を中心に1~12号館が時計の文字盤のように囲んだ形となっている。膨大な土地を活用し、様々な用途のために存在する各号館の真相は未だに明らかにはされていないけれど。
とにかく、今俺は本館にいるので2号館まで急がねば。早くしないと入学式も始まっちゃうしな。
それにしても・・・さっきの少女。俺の胸を鷲掴みにし、離そうとしない(むしろ離さないでくれ)あの少女。彼女もこの学校の新入生ならばまた会えるだろうか。会えるといいな。いや、会えるさ。恋の力に不可能なんてないからな!!←
「君、ここで何してる」
突然声をかけられた。振り向くと、教員と思われる人物がたっていた。不思議な男性だった。ソバージュのかかった黒髪に射抜くような鋭い瞳。紺色のおとなしめのスーツを着ているが、どこか彼からはおとなしいとはかけ離れた雰囲気を感じる。なんだか見ていると、落ち着かない。その感情は先ほどの彼女に対するものと似ているが明らかにちがう。
彼女への気持ちが「恋」だとするなら、これは紛れもない「嫌悪」だった。
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