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(…痛い)
そう思って手首を見れば、赤い鮮血が溢れ出ていた。
ぼくはそれをただ見つめる。
右手にはカッター。
刃はぼくの血で染まり、なんだか滑稽だった。
「……ハッ……馬鹿馬鹿しい」
ぼくは近くにあったティッシュを手にとり、刃についた血を拭き取った。
そしてチキチキとカッターの刃をしまう。
別に死にたくて切っているわけじゃあない。
というかこんな浅い傷つけたくらいで死ねるなんて毛頭思っていない。
だからといって生きたくて切っているわけでもない。
じゃあなんで切ってるんだ。
「そんなのぼくが聞きたいよ」
カッターを机の上に置き、鞄を掴む。
今日からまた学校。
憂鬱だ。
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