真夜中の電話

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 愛だとか恋だとか。酷く曖昧で甘ったるいそんな感情はあたしには似合わなくて。 SNSサイトに登録した後、何人かに付き合いを迫られたものの(それも何故か、あたしが"執事"役してる女の子だ)あたしは丁重にお断りしていた。  SNSサイトでの家族とかいうのも、執事とか兄とか娘とか。 そういう程よい間のある位置に居られたらいい。ネット内で、疑似家族はそれなりに楽しいから。 只友人はそうではなかったらしい。  深夜十一時、勉強も一段落つきそろそろ寝ようかと思った頃携帯のバイブが鳴り響いた。 ……なんて常識の無い奴だ。いや、構わないんだけど。 「もしもし」 「美織ぉ……っ」 取った瞬間、アニメの声優みたいに可愛らしい声がした。 「菜穂? なに、どうした?」 「あ……あたしっ、あたしぃ」  泣きながら菜穂はあたしに訴えかける。嗚呼なんだろう。何があったんだろうか。 聞いた瞬間、唖然とした。 「フられた……、浮気された挙句フられちゃったよぉ……っ」
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