260人が本棚に入れています
本棚に追加
【華綺】
「あの…落としたよ?」
教室に向かう途中、そんな声に足が止まる。
何…?
そう思い振り返ると、
で、でかい女の子………。
それは自慢か?
そう聞きたくなる程大きい。
スタイルも顔もいいな…。
あたしは、その女の子を凝視した。
そして、その女の子の持っているものに気付いた。
「あ…
あたしの家の鍵いぃ!!」
「危なかったね。はい、鍵」
そう言いながら彼女は、鍵を手の平にのっけてくれた。
「ごめんなさい。あと、ありがとう」
「うん。
あ、ねえ?あなた一年よね?」
「あ…はい。そうですよ?」
あたしがそう発した瞬間、彼女の表情がパアッと明るくなった。
「友達になろう!!?」
「っへ?」
と、友達!?
余りにも突然で、びっくりしてしまうあたし。
「い、いいよ?」
「本当!?よろしくねぇ~☆
あたしの名前は、柳瀬川 絢菜(ヤナセガワ アヤナ)」
「あたしは、秋穂 華綺だよ」
「じゃあ、“華”って呼ぶ!
あたしは“絢”でいいから☆」
「うん。絢、よろしくね」
絢はずっとぴょんぴょん跳びはねていた。
最初のコメントを投稿しよう!