魔法使いの物語

15/38
前へ
/50ページ
次へ
       † まるで 遠い未来の空想の世界の、睡眠カプセルみたいなベッドで寝ていた魔法使いの青年。 青年は下の方から伝わる地熱に気付きました。 毎日、黒い煙りを出して噴火している火山でしたが、どうやら本格的な大きな噴火がやって来そうです。 何度か海底地震を体感しました。 やっと完成した住家。 魔法使いは念のため、怪力の丸薬とツルハシを持って、火山の様子見に洞窟の外へと出ました。  その時です。  ごごごごご‥  ドオンドドドド‥ 大きな地震とともに火山が噴火しました。 赤い炎は海水で急激に冷やされて、表面は黒く、白い水蒸気を物凄く沢山吐き出してました。 「あれはマグマ!?」 驚いた青年はパン屋で働いていた時以来、実に久方ぶりに人間の言葉を発しました。 そして急いでマグマの進行方向へ向かったのです。 その先には人魚の国が在ったのです。 祈る気持ちで青年は、全速力で泳ぎました。 速さの丸薬を持たずに洞窟を出たのを悔やみながら‥ とにかく マグマの進行が止まってくれるのを祈りました。 仲の良い人魚達が無事に居てくれる事も、心から青年は祈ったのでした。     
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加