29人が本棚に入れています
本棚に追加
†
まるで
遠い未来の空想の世界の、睡眠カプセルみたいなベッドで寝ていた魔法使いの青年。
青年は下の方から伝わる地熱に気付きました。
毎日、黒い煙りを出して噴火している火山でしたが、どうやら本格的な大きな噴火がやって来そうです。
何度か海底地震を体感しました。
やっと完成した住家。
魔法使いは念のため、怪力の丸薬とツルハシを持って、火山の様子見に洞窟の外へと出ました。
その時です。
ごごごごご‥
ドオンドドドド‥
大きな地震とともに火山が噴火しました。
赤い炎は海水で急激に冷やされて、表面は黒く、白い水蒸気を物凄く沢山吐き出してました。
「あれはマグマ!?」
驚いた青年はパン屋で働いていた時以来、実に久方ぶりに人間の言葉を発しました。
そして急いでマグマの進行方向へ向かったのです。
その先には人魚の国が在ったのです。
祈る気持ちで青年は、全速力で泳ぎました。
速さの丸薬を持たずに洞窟を出たのを悔やみながら‥
とにかく
マグマの進行が止まってくれるのを祈りました。
仲の良い人魚達が無事に居てくれる事も、心から青年は祈ったのでした。
最初のコメントを投稿しよう!