魔法使いの物語

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      † 先ず、 海に憧れる人間達が先に行動しました。 ちょうど 一度は陸に上がり、海を目指した先輩が居る事を、海に焦がれる人間達が知ったのです。 その先輩が、鯨やイルカでした。 海に憧れる人間達は彼ら話を聞こうと、彼らのコミュニケーションの仕方を覚えました。 微弱な超音波を出しながら、美しい歌を歌うのです。 陸に居る人間には  きゅうきゅいん  きゅーきゃー そんな甲高い声で鳴いてるとしか、聴こえないようです。 それから、 鯨やイルカの姿に注目しました。 二つに別れてしまった足。 どうやったって、一つには戻りません。 そこで、足をピッタリとくっつけて、その回りを皮膚を変化させた鱗で覆い隠しました。 長い年月を掛けて、足同士がくっついて、足先と爪が変化してヴェールみたいな薄くてフリフリとした、ボリュームたっぷりの尾鰭が出来ました。 両生類の蛙を見習い、手の指の間に水掻きを皮膚を伸ばして付けました。 水の中の僅かな酸素を漉し取って、水の中でも呼吸出来るようになり、 遂に念願の海の一部に成ることが出来ました。 進化した陸の人間が船を造り海に出ました。 そして彼らを度々目撃するのです。 陸の人間は彼らを人魚と呼び、その美しさと珍しさから捕まえようとしました。 人魚と呼ばれた人間は、賢さが足りず平和主義な人種なので、海に進出する陸の人間とは争わず海の底でひっそりと暮らしてましたが、 たまたま海の上部に散歩に出た人魚が、強い海流の所為で海上に晒されて人間に目撃されたりしました。 とても危険な経験をした人魚によって、海の上部で散歩するのを禁止する事を決めたのです。 あまり賢くはない人魚達は、漠然と人間は危険。悪いもの。 そう、カテゴリー付けしました。 平和主義で臆病な人魚達は、そのカテゴリーに恐怖して決まりを守りました。 だから 人魚達は人間達に忘れられて、 伝説の生き物とされたのです。    
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