魔法使いの物語

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海底に海底火山があります。 それを更に泳ぐと海底洞窟がありました。 そこは魔法使いの住家なのです。 魔法使いには奥方が居ます。 賢さの足りない人魚から、賢い魔女へと魔法使いの手によって変化した奥方です。 魔法使いは人魚達の為に魔法を使いました。 幸せになるための魔法です。 平和主義な人魚達とふたりは、仲良く共存しました。 仲が良すぎてふたりの子供達が、続々と人魚と結婚して住まいの海底洞窟が狭くなってしまいました。 魔法使いの海底王国が出来るのは、そう遠くない未来。 それくらい愛し合うふたりの間に、海の神様からマンタのお使者が赤ちゃんを遣(ヨコ)したのです。 今日も海底洞窟から、愛し合うふたりの愛の歌が聞こえてきます。 その愛の歌を聴いて、人魚の恋人たちは寄り添い、続いて愛の歌を歌います。 恋人がいない人魚は平和な気持ちに包まれて、優しく在ろうとします。 争う事をとても嫌って、相手を労り理解し合うのです 尤も、人魚は元から平和主義ですけれども。 人魚の子供は人魚の大人に耳を塞がれてしまいます。 子供たちには少し、刺激が強いからです。 海の上の世界は悲しい事が沢山ですが、此処には悲しい事などありません。 魔法使いの夫婦の愛の歌を聞いたら、幸せなキモチに、たちまちなってしまうのですもの‥     ‐†END†‐     
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