魔法使いの物語

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      † 空に憧れた人間達は、 それはもう失敗の連続に苦労しました。 そのおかげで、陸や海を目指した人間達よりも賢くなりました。 空に憧れた人間達は、鳥を見習って手の産毛から羽根に変化させました。 それはそれは大変なことでした。 ですが、今度は手が碌に使えずに苦労します。 人間達は今の顔のパーツを気に入ってましたので、鳥みたいなくちばしなんか絶対イヤです。 仕方なく手に羽根を生えさせるのは諦めて、背中の肩甲骨を変化させて、そこから産毛を羽根に進化させました。 それは、それこそとても大変なことでした。 翼を思うままに動かさなくてはならないのですもの。 そうして、いざ翼を持っても、まだまだ翼は小さい為に飛べません。 人魚達が海へと続々と住家を移しても、空に憧れる人間達はまだ、森の中でした。 空に憧れる人間達は、背中の羽根を大きくする事と、身体を小さくして羽根の負担を軽くする事に専念しました。 だから空に憧れる人間は、その美意識と実用性でホッソリとした体付きと、美しい顔の者が多いのです。 やっとやっと、羽根を大きくして身体をホッソリとさせて、大空を手に入れた人間達。 陸の上の人間の食べ物を奪って傷付ける者は、悪魔と呼ばれました。 美しい顔と賢さで陸の人間に指導する者を天使と、陸の人間は勝手に呼んで、崇めようとします。 元は同じで悪魔と天使は紙一重。 人間達の勝手な差別的な呼び名に怒り、悪魔と天使は空の雲の上に天界を創り、そこに住みました。 勝手な人間達に怒り続けた悪魔は、より一層人間達に意地悪をしました。 そして 同族のそれに罪悪感を感じた天使が、人間達を正しく導こうとしました。 人魚達への人間の仕打ちを見た悪魔と天使は、それぞれ目的の人物以外には姿を現しません。 悪魔は人間を殺し、天使が導く人間は余計な事を言いません。 ですから 人間達は悪魔も天使も居るか居ないか、 ずっと昔から賛否両論を繰り返しているのです。     
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