魔法使いの物語

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       † 陸の人間達の中でも、更に進化した人間が居ました。 よく第六感と呼ばれる感覚が、とても鋭い人間です。 感覚が鋭いだけでなく、とても賢いのです。 そんな彼らは天使に愛され指導されて、特別で不思議な力を手に入れました。 最初は預言や新しい道具への閃きだけでしたが、意志を持ち精霊となった道具達に助けられて、万能な薬を作れる様になりました。 その薬は、飲めば空を飛べたり、怪力が出たり、また物を小さく握り潰してまるで消えてしまった様にも見える不思議な力を使える薬です。 彼らはそれを人間達の間で役立てようとしましたが、余りに優れた彼らに特別な力のない者達が凄まじく嫉妬しました。 彼らの男性は魔法使い、又は魔人と呼び 女性は魔女と呼んで、何かと因縁を付けて虐めるのです。 その最たるものが魔女狩りです。 ですから 魔法使いや魔女は、その力を秘めて人間に使うのを止めました。 先祖を虐められて怨んだ魔法使いや魔女は、その優れた魔法で人間達を虐め返します。 だから魔法使いや魔女は、人間達に悪いイメージが強く表れるのです。 魔女狩りは激化しました。 魔女でも魔人でも無い、少し人よりも賢い人間まで、魔女狩りの裁判がされて誤解から火炙りにされてしまいました。 そんな、混沌とした人間の世界に 心優しく少し不器用な男の子が生まれたのでした。     
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