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その男の子は孤児でした。
父さんと母さんは、魔女狩りの裁判で魔人と魔女と審判されて、火炙りにされて亡くなってしまいました。
だから男の子は自分が本当は魔法使いだと知りません。
父さんと母さんが衛兵に捕まった時、隣の奥さんに預けられて難を逃れてました。
裁判で両親が魔法使いだと知った隣の奥さんは、不気味に思って男の子を孤児院の前で棄ててしまいました。
だから拾った孤児院の職員達は何も分からずに、男の子を孤児院で引き取る事を決めたのです。
それから男の子は辛い日々を送る事となりました。
男の子は賢く優しい子です。
孤児院には男の子の他にも、沢山の子供が居ました。
孤児院は大抵が好意の個人運営が多く、この孤児院も個人運営で財政難でした。
なので
着るものはおろか、食事の量も十分とは言えません。
何時も子供達はお腹を空かせていました。
男の子は自分よりも小さな子に、食事の一部を分けてあげてました。
自分と同じか大きな子には、頑として屈せずに自分の食料を守りました。
でなければ男の子は死んでしまうからです。
常にお腹を空かせて痩せっぽちな小さな身体。
男の子はふらふらとしながら、本を読み耽る変わった雰囲気の子供でした。
子供に恵まれない裕福な大人には良くは映らず、男の子は養子にされずに孤児院で成長続けました。
それを見て憐れに思ったのが天使です。
天使は男の子の為に毎日大きな林檎を一つだけ持って来て、天使の目の前で食べさせました。
天使の目の前で食べさせなければ、男の子は小さな子達に分け与えてしまうのです。
男の子の身体は悲鳴を上げていたので、天使は強引に目の前で食べさせるのを決めたのです。
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