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「ヤっ………ヤべえ!!」
俺の名は寺嶋明。
ピッチピチの15歳童貞だ。
猛勉強の甲斐あってか、晴れて念願の私立カトゥタカ高校に合格。
待ちに待った入学式を今日に迎え、高校生となる準備は万端だった…
筈だが……
今、完っ全に遅刻しそうだ。
「明!早く食べちゃいなさい!遅刻するわよ!」
「うっせえ!こんなの食えるか!」
「あんたの好き嫌いが直るように作ったのに…」
「いや…ね?だからってこんな高野豆腐ばっか作られてもね…」
そう、遅刻しそうなのはこいつとの格闘が原因なのだ。
一体俺にどんな恨みがあってこんなに高野豆腐を作ったんだ?
食卓が高野豆腐オンリーで埋め尽くされてるってどういう事?
「…………こんなに食えるか!!ばか!」
「もう……!しょうがないわねぇ…ホラ、あーんしたげるから早く食べなさい」
オフクロはそう言って、たどたどしい手付きで高野豆腐を箸ではさんだ。
「おいオフクロ…ド近眼の癖に眼鏡なしでそんな事すんなよ…怖いわ」
「大丈夫よ…多分。
はい、あーーーーん」
震える高野豆腐が俺の顔に近づいて来る。
ん?あれ?俺の口っていつから右目の位置に「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
…………朝からすごい目が腫れました。
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