入学式

5/7
前へ
/73ページ
次へ
まさかこんな…ネタとしてしか存在しないシチュエーションを体験するとは… あまりの出来事に言葉を失っていると、その娘は俺に謝った後、申し訳なさそうにこう言った。 「あの…ぶつかっておいて何なんですけど…私立カトゥタカ高校って知ってますか?」 「知ってるも何も、俺そこの生徒だよ」 俺がそう言うと、彼女は安心したふうな面持ちになった。 「ホントですか!?よかった!私、道に迷ってたんです!」 話によると、彼女は最近この地域に引越して来たらしい。この高校を志望した理由はやはり学食なのだそうだ。まあ俺は保健の授業目当てだけど… 「てか、君新入生だよね?俺も同じだからタメ語でいいよ」 「え…ホントに?全然同じ歳に見えなかったわ…」 と、まあこんなカンジでのほほんと登校しちゃった訳で… はい。遅刻しました。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

459人が本棚に入れています
本棚に追加