『 アコ 』

5/5
前へ
/37ページ
次へ
   「もし本当にそうだったら、許せないけれど」  左手を顎の下に置いて、挑発するような眼差しでこちらを見つめながら、アコが云った。  「そんなじゃあ、無い気がするのよねぇ」  人は見かけによらない。 見てくれこそ洋人形のようで可憐なアコ。口調こそ上品だが、性格はサバサバした姉御肌-流石、下兄弟3人を抱えてるだけある-といった風だ。 私の方がずっと気弱で、優柔不断。いつもアコに手を引いて貰っている。  アコがパッと表情を変えて、天使の微笑を見せた。  「まぁどうでも良い事ね。ヤヨにはタナベ君が居るものね」  
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加