『 猫 』

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  キミは気付かないだろう。 ボクは今も此処に居るよ。 大人たちは何が大事で何を棄てて。 何の為って言い張るのだろう。 愛してると言って、ぎゅうってして。 ボクらが嘘を吐くのに理由は無いの。 忘れた大人を忘れよう。 「ネコみたいに泣くだけの私は要らないんでしょう?」 キミとボク、ずっと此処に居よう。 ふたりだけの秘密のお城に。 色を失くした鉄の棒を、また。 染め直してくれたなら。 未完成の白骨体に出会えるだろう。  
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