『 鳥 』

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  キミは気付いていたのだろうか。 小さい儘、指先15センチの先に。 繋ぎたい手が淋しくて冷たいよ。 風化しゆく鉄の棒に気付かない。 ボクらの公園を直して欲しいのに。 だから誰も、ボクらに気付かない。 期待なんて、鼻からしていないけれど。 鳥のようにボクら、自由に旅を出来ないから。 ボクらを捨てたヒトとかヒトを忘れる事にしたのさ。 隠れ家は秘密基地で。 キミとボク、ふたりだけのお城だった。 地下に潜る砂の城。 スコープがボクらの武器だった。  
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