『 蟻 』

2/2
前へ
/14ページ
次へ
  キミは気付いていないだろう。 オレンジのスコープには届かないよ。 もう片方を思い出せない。 今更、探す振りも。 泣く振りもやめておくれよ。 もう片方の色を思い出したいのだけれど。 知りたくないし、見たくなかったんだ。 「アリみたいにちっぽけな僕は邪魔なんでしょう?」 誰かの思い通りには育てないから。 怖い声はもう、聞きたくなかったんだ。 小さな武器を片手に握り締めて。 キミとボク、待ち合わせをしよう。 いつものジャングル・ジムの下の下で。  
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加