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「寒いから俺ん家来るか? 大した物はないけどな。」
晩飯の買い物をした帰りなんだけど捨て猫を見付けた。
見捨てるわけにもいかずに手を差し延べてみた。
「にゃ~!」
すると段ボールの中の猫は俺の手に嬉しそうに頬を擦り寄せてきた。
おぉ…人懐っこい。
それに元気そうだな。
「よしよし…じゃ帰るか…。 すぐ近くだから我慢しろよ。」
猫を片手で抱き抱えながら袋を持ち上げた俺は家に向かって歩き始めた。
『うにゃ~ッ! ご主人様がわたし以外の猫を抱いてるのですぅ~ッ!』
『まぁ仕方ないわよ、二年も留守にしてたんだから。』
我が家の方角を見ると二人組の女性が立っていた。
一人は俺の方を見ながら何やら叫んでる。
まさか…電気代の請求か?
もしくはガス代━━
『ご…ご主人様ぁぁぁぁッ!』
二人の内の小さな体の方がこっちに向かって凄い勢いで走ってきた。
ご…主人…様…?
それよりお前、止まれるのかッ!?
「ぐふぉッ!」
「ご主人様ッ! 猫はわたしだけで十分なのですッ!」
体当たりされた俺は押し倒され、服の胸元を前後にガシガシと揺すられた。
ちょッ…何だッ!?
俺、何かしましたかッ!?
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