五章・引っ越しです。

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  今は三月の中旬。 大分、暖かくなって桜も蕾を付け準備OKといったところだ。 「なぁ…? 一つ提案があるんだが。」 「ん~? 何よ。」 「どうしたのですか~?」 気持ちいい春の日差しを感じながら俺達は家でくつろいでいた。 「あのさ…家、引っ越さないか? ここじゃ狭いだろ。」 俺は周りを見渡した。 仕舞いきれない洋服やら本が視界に入る。 「確かに…コウが部屋で寝れないのは可哀想ね。」 ソファーで何やらファッション系の雑誌を読んでる弥生。 「それは良いんだけど…自分達の部屋くらい欲しいだろ?」 ほらっ…年頃の娘達ですし? 見られたくない物とか━━ 「わたしはご主人様と弥生ちゃんと一緒の部屋が良いのです♪」 「私も別に今のままでも良いわよ。」 あ…あれ…? もしかして引っ越しの必要ないのか? 「と…とにかく引っ越すんだッ! いいなッ!?」 「「は…はぃ…。」」 よしっ。 良いお返事だ。 「だから今日は家を探しに不動産に行くぞ。」 住むなら一軒家が良いよな。 今の収入なら大丈夫だろ。 「でも今日は麗香さんのところに行かなきゃなのです…。」 「なら私がコウと行くわね。」 そうだな。 美雨は家が決まったら連れていこうな。  
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