五章・引っ越しです。

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  「でも、そこで人が亡くなってたんです。」 人が…亡くなってた…? 「おぃッ! んな家に住めっていうのかッ!?」 そんな不動産屋居るかッ!? 先に言うだろ普通ッ! 「で…ですが住み心地が良ければいいって…。 夏場なんかは涼しいかも━━」 「そんな涼しさ要らんわッ!」 何で家に居ながら肝試しせにゃいかんのだッ! 「ヒィッ…お化け怖いよ…コウぅ…。」 弥生はギュッと俺の腕にしがみついた。 しかも弥生を泣かしたッ! 弥生をイジメるなッ! 「ん~、じゃあ…これはどうですか?」 また一枚の間取りの書かれた紙を俺達の前に置いた。 「一軒家で3LDK。 ガレージ付き…か。」 これも好条件だな。 でも異様過ぎる。 「これ安すぎないか…? また人でも死んでんだろ?」 この一軒家で、この賃貸料は有り得ん。 絶対に何かある。 「そんなことないはずですよ? 駅が遠いのだけが欠点で。」 しれっと、そう答える不動産屋のオジサン。 「見に行かなきゃ信用できないな…見に行くか。」 「そうね。 見に行けば分かるわね。」 ボロボロな家の気がするけどな。 まぁその時は他の家を探せばいいか。  
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