一章・帰ってきたッ!?

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  「絶対、誰だか分からないわよ…?」 「良いから良いから。」 俺から携帯を受け取った弥生は渋々ながら受話器に耳を近付けた。 プルルルルーッ! [はいっもしもーし♪ 公平くん、どしたの?] 電話を掛けると留守電サービスまで待つことなくワンコールで有希が出た。 「で…出ちゃったんだけど…。」 「なら話せばいいだろ?」 でも今やってるテレビって生放送のはずなんだけど。 LIVEの文字は嘘だったのか。 [えっと…私だけど。] 久し振りに有希と話す弥生は緊張でガチガチになっていた。 私、じゃ分からないだろ…。 名乗ろうぜ弥生。 [え? 弥生…これって…弥生の声だ…。] って良く分かったな…。 さすが有希だ。 弥生の声を聞いた有希は未だに信じられないのか少し困惑していた。 [本当に弥生…? 公平くんの悪い冗談じゃないよね…?] [ふふっ…主人様、落ち着いて?] 緊張していた弥生も凄い勢いで困惑してる有希の声を聞いて落ち着きを取り戻していた。 [もう一回…主人様って、もう一回言ってぇ…。] 弥生は『もうっ…』と嬉しそうに顔を緩めながら溜め息を吐いた。 [ただいま…主人様。] [お帰りなさい弥生ぃ…。] 今頃…有希の奴、嬉しさでグシャグシャな顔してんだろな。  
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