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━━━━…。
「ほれっ、こんなのでいいか? 余ってる食材で作ったんだが。」
俺はオムライスを盛った皿を二人に手渡した。
ん…なかなか良い出来。
卵が上手いこと出来たからトロトロだ。
「うわぁ♪ 美味しそうね♪ さすがコウ♪」
「そんなに褒めるなって。」
俺、調子に乗っちゃうぞ?
褒められると図に乗るタイプなんだぞ?
「これは…何ざますか…?」
エリザベスは俺から受け取った皿をマジマジと見ていた。
「お前…オムライスも知らないのか?」
「オムライス…ざますか?」
オムライスを知らないってお前…。
「そう。 オムライスだ。 いつも何食ってんだよ…。」
「フカヒレとかフォアグラとか…。」
何だと…!
そんなの二十年近く生きてるけど食べた記憶ないぞッ!
「俺は人に作ってもらった心の込もった料理の方が美味いと思うぞ?」
俺は苦笑いしながら二人の前にお茶を入れたコップを置いた。
「い…いただきますざます…。」
俺の顔をチラッと見たエリザベスは恐る恐るオムライスを乗せたスプーンを口に運んだ。
さぁどうだ。
俺のオムライスの味は。
「美味しい…凄く美味しいざます…。」
口にケチャップを付けたエリザベスは驚いたように俺を見て言った。
「そうかい。 それは良かった。」
「当たり前よ。 コウが作ったんだからね!」
弥生が胸を張って言うなって。
べ…べつに嬉しくなんかないんだから!
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