五章・引っ越しです。

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  ━━━━…。 ガチャッ。 「ただいま。」 「お邪魔しまーす。」 扉を開けた弥生に続くように俺も玄関に入った。 ん~? なんかリビングの方が騒がしいな。 タタタッ! 「はいはーい…あら♪ 公平くんと弥生ちゃんじゃない♪」 ラフな格好の麗香さんが玄関に走ってきた。 「あれ? 麗香さん仕事は?」 いつもはヒーヒー言いながらやってるはずなのに。 そういえば臭くもない。 「美雨ちゃんが来てから集中出来てね♪ 美味しいご飯作ってくれたり助かったわ♪」 ほぉ…。 さすが我が愛猫だ。 「じゃ麗香さんも行きませんか?」 「え? どこに? ま…まさか…ホテルッ!?」 違います。 「引っ越すんですよ俺達。 弥生と新しい家を探しに行ったら良い家を見付けて。」 もう引っ越し先、決定しちゃったんです。 もっと時間掛かると思ってたんだけどな。 「そうなのッ!? 行く~♪ 新居ってワクワクするわよね~♪」 トコトコッ。 「ふぇ~? どこに行くのですか~?」 リビングの方からエプロン姿の美雨が首を傾げながら、ゆっくりと歩いてきた。 「新しい家が決まったから見に行くぞ~?」 「ふにゃっ! 新しい家なのですか! 楽しみなのです♪」 美雨はフニャッと頬を緩めて嬉しそうに笑った。 ん…きっと美雨なら気に入ると思うぞ。 デカイ家だからな。 「それじゃ車に乗ってくださいな。」 「「はぁーいっ♪」」 「ほらっ急ぐと転ぶわよ? 気を付けてね。」 俺の車に三人を乗せて新居に向かって、ゆっくりと走らせた。  
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