一章・帰ってきたッ!?

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  [いつ帰ってきたんだよぉ…ずっと待ってたんだぞぉ…。] 鼻を啜るような音が聞こえ涙声な有希が苦しそうにボソボソッと呟いた。 [待たせてごめんね? 今さっき戻ってきたの。] [病気になってない…? ちゃんと元気にしてた…?] 心配してたみたいだから聞きたいことが山ほどあるんだろうな。 [もちろん元気よ。 主人様は体、壊してない?] 弥生は電話を耳に当て有希と話しながら立ち上がると俺をチラッと見た。 ふふっ…。 弥生も話したいことが沢山あるみたいだな。 「俺の部屋で電話してきてもいいぞ?」 「ありがと…。」 俺に軽く頭を下げると、そのままリビングからタタタッと走って出て行った。 「弥生ちゃん凄く嬉しそうだったのです。」 「そりゃ弥生だって有希と話したかったんだろ。」 沢山、話すといいさ。 気が済むまで、ゆっくりとな。  
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