五章・引っ越しです。

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  「まぁ誰でもいいか。 そっち側、持て。」 んっと…掴む所がないな。 おっ、ここら辺か。 「えッ!? いや僕も紹介を…な? してくれないかい?」 よし行くぞ~。 「いち、にの、さんッ!」 「ちょちょちょちょっと待ってくれってッ!」 何だよウダウダと。 進まないだろが。 「ほれ行くぞジョニー。 ちゃんと持てよ?」 一旦、上げていた食器棚を置いて俺はジョニーに目配せをした。 「ま…まぁいいだろう。」 ジョニーは腰をグッと下ろして食器棚に手を掛けた。 よしっ…行けそうだな。 今度こそ行くからな。 「「せーのッ!」」 クッ…重いッ…。 ってジョニー潰れかけてるんじゃねぇよ。 「ジョニーもっと力入れろ。 下がってるぞ。」 「わ…分かってるッ! 僕は全力で運んでるんだッ!」 まぁそうだろうな。 ジョニー顔が真っ赤だし。 何とかトラックまで落とすことなく食器棚を運べた俺達。 「ぜぇ…ぜぇ…。 息が…ぜぇ…苦し…ぜぇ…。」 ジョニーはトラックに手を付いて苦しそうに肩で息をしてる。 「ってか、お前は何しに来たんだ?」 「や…やっとそれを聞いてくれたね!」 あぁ聞いてほしかったんだな。  
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