五章・引っ越しです。

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  ━━━━…。 「ぜぇッ…ぜぇッ…。 し…死ぬ…ゲホゲホッ!」 どうにか洗濯機をトラックに積むことは出来た。 ジョニーは積み終わると地面に倒れ込んだ。 もうジョニーは使えなさそうだな…。 これから、どうやって大物を運ぶか…。 「おーい公平くーん♪ 手伝いに来たよ~♪」 「おっ人手が足りないから助か━━」 あ…あれ…? 聞き覚えのある声に振り向くと、ここに居ちゃいけない奴が居た。 「有希…お前どうして、ここに居るんだ…?」 確か朝の電話で『仕事だから来れない』って言ってたよな? 「手伝うために早く終わらせたのだよ♪ この人は私のマネージャー♪」 有希の後ろからヒョコッと顔を出したマネージャーさん。 「どうも。 マネージャーの『田中-タナカ-』っす。」 おぉ…男手だ…。 物凄い心強いな。 「忙しいのに、来てもらっちゃってすいません…。」 「いぇいぇ! 臨時マネージャーの件は凄く助かったっす!」 マネージャーの田中さんはニコッと笑うと脱いだジャケットを自分の車に仕舞いに向かった。 良い人だな。 さすがは有希のマネージャーさん。 「ただ…有希が来たらマズいんだよなぁ…。」 俺はワイワイと楽しそうに作業をしている女性陣を遠目に見た。 「えっ? どうして? もしかして私、邪魔だった?」 「実は店長が手伝いに━━」 あっ、やばい…。 店長と目が合った…あっ、こっち来た…。 「あれれ? 随分、人が増えたね?」 この人が問題なんだよな…。  
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