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「ねぇ鈴本くん…一つだけ聞いてもいいかな?」
ジョニーが歩いていった方を見ながら店長がボソッと呟いた。
「はい? 何ですか?」
ジョニーと俺の関係とかですか?
アイツは知らない人です。
「ちょっと中野有希さんについて聞きたいことがあって…。」
ギクッ!
「僕…どこかで会ったことがある気がするんだ…。」
ギクギクッ!
「そんなはずない…よね? どう思う?」
顎に手を当て首を傾げながら俺の顔をジーッと見詰める店長。
クッ…鋭いなッ…。
どう切り抜けようか…。
「えっと…あの…。」
言葉を濁しながら有希の方をチラッと見た。
それに気が付いた有希はポカンッとしていた。
アイツは俺の気も知らないで…ったく。
適当に答えとけば良いか。
「気のせいじゃないですか? この世界には自分と似た人が三人は居るらしいですし。」
「あっ、そうだよね♪ 気のせいかも♪」
納得したのか店長は頷きながら段ボールを持ち上げトラックに歩いていった。
ふぅ…。
鋭いくせに単純で助かった…。
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