五章・引っ越しです。

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  「ねぇ鈴本くん…一つだけ聞いてもいいかな?」 ジョニーが歩いていった方を見ながら店長がボソッと呟いた。 「はい? 何ですか?」 ジョニーと俺の関係とかですか? アイツは知らない人です。 「ちょっと中野有希さんについて聞きたいことがあって…。」 ギクッ! 「僕…どこかで会ったことがある気がするんだ…。」 ギクギクッ! 「そんなはずない…よね? どう思う?」 顎に手を当て首を傾げながら俺の顔をジーッと見詰める店長。 クッ…鋭いなッ…。 どう切り抜けようか…。 「えっと…あの…。」 言葉を濁しながら有希の方をチラッと見た。 それに気が付いた有希はポカンッとしていた。 アイツは俺の気も知らないで…ったく。 適当に答えとけば良いか。 「気のせいじゃないですか? この世界には自分と似た人が三人は居るらしいですし。」 「あっ、そうだよね♪ 気のせいかも♪」 納得したのか店長は頷きながら段ボールを持ち上げトラックに歩いていった。 ふぅ…。 鋭いくせに単純で助かった…。  
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