五章・引っ越しです。

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  田中さんを引き連れてトラックの運転席に向かった。 店長は俺達に気が付くと窓をゆっくりと開いた。 「じゃ俺が先頭走るんで付いてきてくださいね?」 「「了解しました。」」 とりあえずの段取りを話してから、それぞれの車に乗り込んだ。 「じゃ行くか。 シートベルト締めろよ。」 ミラーを見て後ろに二台が付いたのを確認してから、ゆっくりと走り出した。 「凄い光景なのです…。」 美雨は後ろを見ながら口をあんぐりと開いていた。 「後ろから付いてきてる車、怪しすぎないかい…?」 改造を施したスポーツカーを先頭に黒塗りの高級車、デコトラと並んで走る。 「多分外から見た方が凄い光景だろうな…。」 異色の三台って奴か。 色んな分野から出てきたみたいな。 「って…あれ? ご主人様?」 「ん? どうした?」 隣に座る美雨をチラッと横目で見た。 美雨は膝立ちになり首を傾げながら後ろを見ていた。 「麻衣さんはどこに行ったのですか?」 はぁ…? 店長なら後ろを走って━━ 「なッ! い…居ないッ!?」 右側のミラーに映っていたはずの二台の車は知らない間に一台に減っていた。 道に迷ったのかッ!? まだ、そんなに走ってないぞッ!?  
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