五章・引っ越しです。

29/42
前へ
/374ページ
次へ
  「参ったな…美雨をトラックに乗せりゃ良かった…。」 よく考えたらトラックに新居を知ってる人乗ってないな…。 失敗だ…。 「どうするのですか?」 後ろを膝立ちで見ていた美雨は正面を向いてドスッと席に座った。 ん~…。 どうするって言われても運転中だから電話は出来ないし…。 「田中さんは来てるから一回、新居に行くか。」 そこで田中さんと、どうするか話そう。 このまま探しに行ったら、また逸れるかもしれん。 俺はそのまま田中さんの車を引き連れて新居へと走った。 ━━━━…。 「気が付いた時にはトラック居なくなってたっす…。」 あはは…と苦笑いをしながら自分の車から段ボールを出す田中さん。 「そうみたいですね…。 一度電話してみますね。」 俺は車の座席に座りドアを開けたまま携帯で店長に電話を掛けた。 プルルルル~ッ! [もじぃもじぃ~…僕、道に迷っちゃったよぉ…。] ヒクヒクッと泣きじゃくりながら電話に出た店長。 知ってます。 何故なら、ここにあなたは居ませんから。 [はぁ…今どこですか? 迎えに行きますから。] 俺は車にキーを差し込みエンジンを掛けた。 [んとね…とりあえず地球なのは確かだよ…?] [ふざけてると放置しますよ店長。]  
/374ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1496人が本棚に入れています
本棚に追加