五章・引っ越しです。

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  ━━━━…。 「ふぅ…着いたな…。」 帰りも三十分掛かったから結局、一時間のタイムロスか…。 家の前にトラックを停めると、それに気が付いたみんなが駆け寄ってきた。 「ご主人様♪ お疲れ様なのです♪」 美雨はトラックから降りた俺にギュッと後ろから抱き着いてきた。 元気だな美雨…。 もう俺は疲れちゃったよ…。 「お帰りなさい。 随分と時間掛かったわね。」 「田中さんの車に入ってたのは全部、運んだわよ~♪」 「後はトラックの中の物だけ♪」 本当に女性陣は強いな…。 それに比べてコイツは根性が足らん…ったく。 「この役立たず。 起きろバカ。」 玄関付近で仰向きで、ぶっ倒れているジョニーを足蹴にした。 「ぶふッ! 僕はバカじゃないッ!」 バシバシッと横っ腹を突くように蹴ると物凄い勢いで飛び起きた。 「起きたかバカ。 トラック来たから運ぶぞ。」 早くせにゃ日が暮れる。 かと言ってトラックに積んだまま明日に伸ばすわけにもいかない。 「えっ…今から、これを全部運ぶのか…?」 「当たり前だろ。 引っ越しなんだから。」 トラックに住めと言うのかジョニーよ。 「後はトラックの中の奴を運べば終わりっすよジョニーさん。」 田中さんはニコニコとジョニーを見ながらトラックの荷台を開いた。 「ほれっ、やるぞ。 まずは冷蔵庫からだ。」 「うぅッ…もう嫌だッ…。」 ジョニーは涙目になりながら嫌々、冷蔵庫の下を掴んだ。 さてと…トラックの中身を運びゃ終わりだ。 気合い入れて行くか! 「ちゃんと持てよ! せーのッ!」 「家に帰りたぁぁぁぁいッ!」  
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