五章・引っ越しです。

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  「あぅ…YuNow様の体が当たってるよぉ…。」 今にも蒸気が出そうな真っ赤な顔で隣の有希を見る。 「当たってるんじゃなくて当ててるんですよ♪」 「はぅッ…もっと…僕に触れてください…。」 店長は横目でチラチラと見ながら有希の手を両手で包んだ。 僕っ子で尚且つレズっ気があるんですか。 ってか、こんなにゆっくりしてていいのかね? 「レズっ子店長。 仕事は大丈夫なんですか?」 「僕レズっ子じゃないよッ!?」 何の説得力もないですよ。 有希も店長で遊ぶんじゃない。 「大丈…夫じゃないね。 お仕事溜まってるんだった…。」 カクッと項垂れた店長は苦し紛れに笑った。 「せっかくYuNow様とお話しするチャンスなのに…。」 「また会えますよ♪ お仕事頑張ってくださいね♪」 『ファイト♪』と有希は小さく首を傾げながら店長に言った。 「はぅぁ…YuNow様に応援してもらっちゃった…頑張るぅ…。」 今度は確実に頭から蒸気を出した店長はヨタヨタとした足取りで家から出ていった。 タタタッ! 「ご主人様~♪ お部屋の片付け終わったのですよ~♪」 ソファーの後ろから俺にギュッと抱き着いてきた美雨。 美雨の後ろには周りを見渡している弥生も居た。 「んっ、お疲れ様。」 「コウの部屋も粗方、片付けといたからね。」 おぉ…助かる。 さすが弥生だな。  
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