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「公平くーん? 材料が無くて何も作れないわよ~?」
キッチンから出てきた麗香さんはエプロンから出したタオルで手を拭いていた。
あっ…そうだった。
何もないんだ…。
「どうする~? 今から材料買いに行く?」
「ん~…たまには出前でも取りますか。」
今から買い物も面倒臭いからな。
しかも出前はこんな時くらいしか取らないし。
「私お寿司が食べたいな♪」
「お寿司なのです~♪」
「私もお寿司に賛成よ~♪」
「うん。 それでいいと思うわ。」
そうかいそうかい。
全員一致なら、そうしますか。
俺は玄関に置いてあった出前のチラシから寿司屋の物を探し携帯で寿司を頼んだ。
━━━━…。
ピンポーンッ!
「おっ来たみたいだな。 よっこいしょっと。」
テーブルに予め用意しておいた財布を持って玄関に向かった。
はいはーい。
今、開けますよ~。
扉を開くと寿司の器を持った店員さんがポカンッとしながら立っていた。
「早かったですね。 えっと…いくらですか?」
「あの…お客様…。」
はい?
ってか何でボーッとしてんの?
「お客様の家の前に人が倒れていますが…。」
店員さんが指差す方を見ると確かに誰かが倒れていた。
な…ッ!
行き倒れかッ!?
ダダダッ!
靴も履かずに外に飛び出した俺が見た物とは…!
「あっ…何だジョニーだったのか。」
玄関脇でピクピクッとしながら倒れているジョニーだった。
「ふぅ…良かった。 で、いくらですか?」
「えッ!? その方はそのままで良いんですかッ!?」
あぁ大丈夫。
コイツなら心配は要らない。
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