六章・とある猫達の一日。

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  ━━━━…。 引っ越しを終えた次の日。 私はカーテンの間から差し込む朝の気持ちいい日差しで目が覚めた。 「ふぁ~…。」 体を起こして腕をググーッと伸ばしながら隣を見た。 まだグッスリ寝てるわね。 それにしてもコウって、やっぱり暖かい…。 コウの頬をツンツンッと突くと、くすぐったそうに顔を背けた。 「ふふっ…可愛いわね。 ふぁ~…じゃ私も、もう一眠り━━」 バターンッ! 「おはようなのですご主人様♪ 今日はお仕事━━」 勢い良く開いた扉から顔をピョコッと出した美雨。 美雨は言葉の途中でピタッと停止した。 「な…何で弥生ちゃんが一緒に寝てるのですかッ!?」 みみみ美雨ッ!? マズイ…怒ってるわね…。 「え…えっと…その…。」 「どういうことなのですかッ! 説明してなのですッ!」 うぅッ…コウ助けて…。 「ふぁ~…良く寝たなぁ…。」 私が美雨に責められているとコウが丁度良く目を覚ました。 あっ起きた! 良かった…助け━━ 「って、もう九時ッ!? 遅刻だぁぁぁぁッ!」 ってコウッ!? 助けてくれないのッ!? 飛び起きたコウはバタバタと部屋中を走り出した。 「弥生ちゃん、どうして私も誘ってくれないのですかッ!?」 「急げ急げ急げ~ッ! 体が痛ぇぇぇぇッ!」 あー、もう朝からうるさいッ!  
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