一章・帰ってきたッ!?

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  「弥生も何かやるか? 簡単な作業もあるぞ?」 トントンッと玉葱をみじん切りしながら後ろで立ってる弥生に問い掛けた。 「え? ん~…私は役に立たないから…ね。」 「じゃ弥生にはハンバーグの形を作る作業を任せたぞ。」 俺は挽き肉が入ってるボールに玉葱と調味料と繋ぎを入れて弥生に手渡した。 「えっ…でも…。」 不安そうな顔をしてる弥生はボールを持って少しだけ俯いていた。 「美雨に教わりながらやれば大丈夫だろ? 一緒に作ろうぜ?」 形なんて気にしないから。 一緒にやることに意義があるんだよ。 「うん…じゃあ、やってみようかな…。」 「じゃテーブルでやるのです♪」 少しだけ頬を緩めた弥生を美雨は引っ張ってリビングに連れて歩いていった。 「弥生は苦手な物には手を出さないんだな…。」 包丁とまな板をスポンジで軽く磨き、水でしっかりと濯いで乾燥棚に立て掛けた。 不思議と、こういう時は美雨が弥生より大人に見えるな。 まぁ向き不向きがあるのは仕方ないことだ。  
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