六章・とある猫達の一日。

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  「弥生はどうする? どれでもいいからな。」 ん~…使うなら見た目がシンプルなのが良いわね。 あっ、これなんか良いかも。 「じゃあ…この白の携帯にしようかな。」 目の前にあったホワイトの二つ折り携帯を手に取って開いた。 うん…使いやすそう。 シンプルでカッコイイわね。 「やっぱりそれか。 弥生はそれ選ぶと思ってたからな。」 コウは私の選んだ携帯を店員さんに伝えて受け付けに歩いていった。 ふにゃ…どうして、そんなに私のことが分かるのよ…。 「あれ? 弥生ちゃん顔が真っ赤なのですよ?」 「えッ!? 嘘ッ…。」 美雨が私の頬っぺたにペタッと手を付けた。 その触れた手は冷たくて今の私には心地好かった。 コウのせいよ…。 時々、凄くカッコイイのよね…はぁ…。 「体調悪いのですか…? そこの椅子に座っていいのですよ…?」 「んーん…大丈夫よ。」 って何、照れてるのよ私ッ! あんなの大したことじゃないでしょッ! 頬を両手でパンッと叩いて自分を落ち着かせる。 深呼吸しながらお店を見渡すと気になる所を見付けた。 「あれは…アクセサリー屋さん?」 あっ…あそこにコウのプレゼントに良いのがあるかも。 ちょっと見てみようかな。 「美雨? ちょっと付き合ってくれる?」 「ふにゃ? はいなのです。」 ポカンッとしてる美雨の手を引いて目の前にあるアクセサリー屋さんに足を運んだ。  
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