六章・とある猫達の一日。

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  ━━━━…。 ガチャッ。 「ただいま~…っと。」 コウが荷物を両手に持ちながら玄関の鍵を開けた。 「ただいまなのです♪」 「ただいま。 ん~…疲れた…。」 今日は一日、バタバタしっぱなしだったわね…。 ちょっと疲れたわ…。 食材の買い物をしてから家に帰ってきた私達。 時間は既に夕暮れ時にまでなっていた。 「ご主人様! 携帯使いたいのです!」 未だに元気な美雨は食材を冷蔵庫に仕舞うコウの腕にしがみついていた。 「ちょっと待てって。 色々とすることがあるから。」 美雨の頭を肘でグイグイと適当に追いやりながら片付けを続けるコウ。 本当に親子みたい…。 微笑ましいって、こういうことなのね。 「早く~! 早くなのですよ~!」 「はいはい…完了っと。 じゃ、そろそろ始めるか。」 美雨をズルズルと引き摺りながらコーヒーの入ったカップを持ってリビングに歩いていった。 美雨…洋服汚れるから歩きなさい。 モップじゃないんだからね。  
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