六章・とある猫達の一日。

23/28
前へ
/374ページ
次へ
  ━━━━…。 「ん…こんな感じだな。 後は慣れだと思うぞ。」 コウは自分の携帯で操作の見本をしながら基本的な使い方を教えてくれた。 「試しに俺の携帯にメールしてみるか?」 「こんな近くなのに?」 練習でも、この近さでメールは恥ずかしいわよ? 何話せばいいか分からないし。 ん~…と唸りながら顎を摩るコウは何かに気が付いたようにニヤリと笑った。 「それじゃ有希にメールしてみるか?」 えっ…? 主人様にメール…? 私達の携帯をヒョイッと取り自分の携帯に近付けゴソゴソと何かしていた。 「よし…有希のアドレス登録完了っと。 じゃ打ってみ?」 私達に携帯を手渡してからテーブルにあるカップをズズーッと啜った。 よしっ…やってみよ。 コウも『慣れだ』って言ってたしね。 「や…。 や…ゆ…よ…。 あ…い…。」 簡単そうに見えたメールも実際に打ってみるとなかなか難しい。 何回も打ちたい文字を通り過ぎたりしていた。 「じゃ俺も有希にメールすっかな。」 暇そうに見ていたコウは自分の携帯を開いてカチカチと打ち始めた。 「ん? どうしてコウもメールするの?」 「愛を込めた俺からの嫌がらせ~。」 それって愛なの? 嫌がらせって言っちゃってるけど…。  
/374ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1496人が本棚に入れています
本棚に追加