六章・とある猫達の一日。

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  「ご主人様♪ 出来たのですよ~♪」 完成したらしい美雨は携帯を持ってタタタッとコウの隣に行って腰を下ろした。 「おっ早いな。 どれどれ…。」 美雨がニコニコとしながら私達に見せた携帯には、こう書いてあった。 [はじめました美雨でし おさかながすきでし ばいばい] は…はぁ…? 「はじめました、って冷し中華か。 まぁ美雨らしいと言えば美雨らしいメールだな…?」 それより主人様に初めましては変でしょ…? 「そうなのです! わたしらしさをアピールしたメールなのです!」 「うん。 もう少し練習したら上手くなるから大丈夫だ。」 苦笑いのコウは美雨の携帯をカチカチッと少しだけ操作していた。 「ん…後は送信ボタン押すだけだからな。 弥生は出来たか?」 私の後ろに来ると携帯を覗き込むように顔を近付けた。 「出来たわよ。 ちょっと時間は掛かったけどね。」 なかなか良い出来だと思うわよ? 漢字に変換も出来たし。 [わたしよ、弥生。 携帯買ってもろうたわ。 またメールするねん。] 「ん…? こんな変な口調だったっけ弥生って。」 「え? 変って何が━━」 あ…あれッ!? ちゃんと打ったはずなのにッ!? 「多分、予測変換で変な変換されちゃったんだな。」 「難しいのね…。」 何か悔しいわ…。 自信はあったのになぁ…。  
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