六章・とある猫達の一日。

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  「あっ見れたのです! うわぁ~♪ 本当に有希さんから来たのですよ~♪」 嬉しそうにメールを一通り見ると私達に画面を向けた。 [美雨ちゃんからメールが来た…! 可愛いね美雨ちゃ~ん♪ お魚ばっかりじゃなくてお野菜も食べなきゃだよ? ってバイバイなの!? もっとメールしようよぉ…。] 「暇なんだな有希。」 「そうね。 相当、暇みたいね。」 こんなに早くにメールが返ってくるなんて思わなかったわ。 何してるのかしら主人様。 「あっ返事返さなきゃなのです♪」 美雨はメールの返信をするために、また携帯と睨めっこを始めた。 「次は弥生の携帯が光ってるぞ。」 「んっ…やっと来たわね。」 主人様からの初めてのメールって緊張するわ…。 よしっ…開こ。 [弥生も買ってもらったんだね♪ ん~…今のメールは採点すると三十点かな♪ 頑張って練習しましょ~♪ いつでもメールしてね?] うぅ~…三十点って厳しすぎるわよ…。 でも何か嬉しいな…またメールするわね。 「ふふっ。 そのメール保護しといてやろうか?」 「んーん、そこまでの価値はないわ。」 だって私へのメールより美雨へのメールの方が愛を感じたもん。 私が主人様の猫なのに…バカ。 主人様のメールを睨んでると聞き慣れたコウの着信音が流れた。 「おっ最後は俺の所か。 あのメールに返事するなんて相当、暇なんだな。」 携帯を持って私に近寄るとカチカチッとメールを開いた。 [有希なのです。 あのメールは何なのよッ! 私をバカにしてるのッ!? シュークリーム買って一人で食べちゃうのです!] このメールは何なのよって私が言いたいわよ。 私をバカにしてるの?って私が言いたいわよ。 「クッ…何だか負けた気がするッ…。」 「何に負けたのか全く分からないけど。」 本当に二人とも私達をバカにしすぎよ…。  
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