六章・とある猫達の一日。

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  「まっ使い方はこんな感じだな。 後は有希で練習したらいいさ。」 パチンッと携帯を閉じてカップのコーヒーをゴクゴクと飲み干すコウ。 「そういえば二人とも今日は何してたんだ?」 「んっと…まずは喫茶店でご飯食べたわね。」 喫茶店のレシートを財布から出してテーブルに乗せた。 コウはポカンッとしながらレシートを見ていた。 「ん…? 三百円しか掛かってないんだが…ミスか?」 あ~…そう思うわよね。 だって二人で三百円って変だもんね。 「タダになったのです! お金も貰っちゃったのです!」 説明が雑すぎるわよ美雨…。 「はぁ…? 喫茶店でお金を貰った…?」 レシートをジッと見ているコウは首を傾げながら美雨の頭をポンッと叩いた。 「美雨が大食いチャレンジしたら成功しちゃったのよ…。」 私は財布から余ったお金を全部出してコウに手渡した。 「渡した金が増えたな…じゃ一万ずつ小遣いにしていいぞ。」 本当よね…。 使ったお金、二千円くらいだしね。 苦笑いしながらコウから一万円を受け取って財布にしっかりと仕舞った。 「他には何か面白い店とかあったか?」 面白い店ね…。 ん~…。 「プリクラ! プリクラが凄かったのです!」 美雨は鞄に仕舞ってあったプリクラを出すと嬉しそうにコウに見せた。  
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