六章・とある猫達の一日。

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  「ゲーセンで撮ったんだな。 弥生…太ったのか?」 ゴンッ! 「痛ぁぁぁぁッ!」 「ごめん。 手が勝手に動いてたわ。」 コウ? 女性にその話をするのはタブーなんだからね? 「あっ、ご主人様! 携帯貸してなのです!」 美雨はテーブルに置いてあったコウの携帯をヒョイッと取った。 「イタタッ…ん? 俺の携帯で何するんだ?」 額を押さえながら私達の方をジーッと見詰めるコウ。 「えへへ♪ 秘密なのです♪ ねっ弥生ちゃん♪」 「ん…秘密よ。 ちょっと待ってね。」 美雨は鞄から袋を取り出してデパートで買ったストラップを出した。 「穴にストラップを通して…出来たのです! はいっ弥生ちゃん♪」 「後は貼り付けるだけね。」 私は美雨から私達が買ったストラップの付いた携帯を受け取った。 曲がらないように…よしっ♪ なかなか上手く貼れたわ♪ 「はいっコウ。 プレゼントよ。」 私はコウに向かって携帯をふわりと軽ーく放り投げた。 パシッ。 「ん? ストラップ…あぁプリクラを付けられる奴か。」 私達がコウの携帯に付けたのは肉球型のストラップ。 真ん中にはプリクラを貼り付ける場所があるの。 一応、私達も猫だし…ね? 「ふふっ…良い写真だな。 二人とも、ありがと。」 もちろん付けた写真は成功した方のよ? 美雨が変な落書きした写真は没収なんだからッ! 「みんな、お揃いのストラップなのです♪」 美雨はストラップを付けた自分の携帯と私の携帯をコウに見せた。 「おっ、お揃いか。 じゃ外せないな…?」 「当たり前よ。 外しちゃダメなんだからね!」 「次はご主人様も一緒に撮るのですよ♪」 私達を見たコウはキョトンッとした後、すぐにクスッと笑った。 「そうだな。 そのうち行こうな。 じゃ飯にするか。」 「「はーい!」」 今日は疲れたけど充実した一日だったわ。 次は三人で…出掛けたいわね?  
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