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━━━━…。
「ゴホゴホッ! うぅ~…喉痛ぇ…。」
美雨と弥生が携帯を買った日の翌日。
止まらない咳と余りの頭痛に深夜なのに目が覚めてしまった。
完全に風邪引いたな…。
最近の無理が祟ったか…。
「風邪薬あったかな…ゴホゴホッ!」
ってか薬箱どこにあるんだ…。
引っ越しのせいで何がどこにあるのか分からん。
俺はゴソゴソと手当たり次第、押し入れを探った。
ガチャッ。
「むにゃ…ガサガサと何してるのですか…?」
枕を抱いた美雨が目をゴシゴシと擦りながら俺の部屋の入口に立っていた。
「あぁ…ごめんな、うるさくゴホゴホッ!」
「だ…大丈夫なのですかッ!?」
美雨は駆け寄ると咳込む俺の背中を優しく摩った。
「ごめんごめん…ゴホッ。 薬箱の場所、分かるか?」
ちょっと薬無しじゃキツイかもしれん。
今日も朝から仕事だし。
「わたしが探すのでご主人様は寝ててなのですよッ!」
「あ~…ごめんな美雨…。 夜中にすまん…。」
俺がゴロンッとベッドに寝転がると美雨は掛け布団を綺麗に整えて首元まで掛けてくれた。
「謝らなくていいのですよ…っと。」
俺が開けていた押し入れに頭を突っ込みゴソゴソと漁り始めた美雨。
「ん~…薬箱はあったけど風邪薬はないみたいなのです…。」
「そうか…まぁ寝てれば治るだろ。」
さすがにこの時間にやってる薬屋はないだろうしな。
家を出る気力もないし。
「お水、持ってくるのでゆっくり寝ててなのです…。」
美雨は俺の額に手をピタッと付けた。
冷たい美雨の手が熱っぽい俺には心地好く感じ、そのまま眠りに落ちていった。
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