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━━━━…。
ドンガラガッシャーンッ!
『熱ッ! 何よ、このバカッ! 言うこと聞けぇぇぇぇッ!』
やっと頭痛が治まりウトウトとし始めてた俺。
でもキッチンの方から聞こえる叫び声と物音に目が冴えた。
「はぁ…何やってんだアイツは…。」
朝から元気なこった…。
でも近所迷惑だぞ…。
俺は鉛のように重い体を起こしてキッチンに向かった。
「このぉ…バカッ! たまには言うこと聞いてよッ!」
キッチンには散乱する器具に立ち上る湯気。
そして床に広がるお粥に文句を叫び続ける弥生が居た。
「弥生、大丈夫か? 火傷はしてないか?」
あーあ、こんなに汚して。
美雨が帰ってきたら怒られるぞ?
「あ…あれ? コウ起こしちゃった…?」
「そりゃもうバッチリ。 目覚まし要らずだな。」
俺はお粥まみれの弥生をタオルで拭ってから落ちてる器具を流しに放り込んだ。
「ごめん…ちょっと失敗しちゃった…。」
シュン…と耳と尻尾を垂らす弥生は申し訳なさそうに手でお粥をかき集めようとする。
「あっバカッ! まだ熱いから触るなッ!」
ガシッと間一髪の所で弥生の腕を掴んだ。
床に散らばるお粥からは熱そうな湯気が出ている。
ほっ…セーフ。
ギリギリだったな。
「ご…ごめんなさいッ…。 私、何したらいい…?」
弥生は目に涙を溜めてビクビクとしながら俺を見ていた。
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